巻き爪になってしまう3つの原因

巻き爪になってしまう3つの原因

最近、腰や膝が痛くなったり、足が疲れやすく感じたりはしていませんか?

実は、巻き爪が進行すると足の指先が痛むだけではなく、痛みを緩和する為に無意識で痛みが少なくなるような歩き方をしてしまったりするのです。気が付くと歩き方が変わってしまい、腰痛や膝痛といった日常生活に支障をきたすような症状が発生してしまいます。

今回は巻き爪になる原因について解説していきます。

 

巻き爪の痛みとなる3大原因

巻き爪とは、爪の両端や片方の端が内側に巻き込んだ状態をいいます。

巻き爪になりやすい場所は、体の体重が一番かかりやすい足の親指です。

 

この巻き爪には、パンプスやヒールを履く機会が多い女性が掛かりやすい傾向にあります。しかし、男性でも巻き爪の痛みで悩んでいる人は意外と多いです。

ちなみに今までに来店された患者さんの中で、男性は女性よりも痛みを我慢して生活していた方がとても多いです。今まで自分で試行錯誤して爪の痛みをしのいでいたり、そもそも痛みがある生活が当たり前になってしまったため、爪の痛みが耐えられなくなるまで危機感がなかったという方が多いです。

 

足の爪が巻き爪になると巻いた爪の端、特に先端の角が爪のしたの皮膚に刺さるように当たりはじめます。

それが痛みを引き起こすのですが、最初は爪による痛みを意識的にかばうようになってしまいます。

痛みを庇った歩き方が次第に習慣化していき、歩き方だけでなくバランスを保ちやすくする為に姿勢が悪くなってしまう人が多いです。さらにこの姿勢の悪い状態が続くと膝痛や腰痛、外反母趾の進行を引き起こすこともあります。

 

このように足の指先の痛みだけでなく体全体の健康にも影響を与える巻き爪ですが、巻き爪になる原因の多くは以下の3つに分けられます。

 

1.爪の切り方

2.間違った靴選び

3.歩き方の癖

 

この3つが巻き爪になる原因のトップ3となります。もちろんこの3つ以外にも巻き爪になる原因はありますが、今回はこのトップ3について説明していきます。

 

 

巻き爪の原因その1 爪の切り方!?

恐らく巻き爪になってしまった人・まだ巻き爪になっていない人関係なく、子供の頃に足の爪の切り方をちゃんとした足の専門家から教わったことがある人はほぼいないと思います。

かくいう私も、足のトラブルを扱うようになるまでは、爪の切り方なんて気にした事もありませんでした。

とりあえず、爪が剥がれたりしないように伸びてきたら短めに切るだけといった認識の人が殆どです。

 

手の爪は物心がついてくると、他人の目にも良く触れるため、特に女性はテレビで紹介されていたケアを実践したり、雑誌の特集やネイルケアの本などを読んでケアを開始する人もいます。

手荒れ防止の為にハンドクリームをつける際に一緒に爪に塗りこむ機会にも恵まれやすいです。

 

しかし、足の爪は夏以外は人目に触れる機会も少なく、靴を履くことが当たり前の現代人の生活では必然的に靴下やタイツ、ストッキング等を履くため人目につきにくくなります。

そうなると足の爪のお手入れをするという人は、男性だけでなく女性ですら少なくなってしまいます。

また、手の爪のケア方法はいろいろ紹介されていますが足の爪のケア方法は、殆ど紹介されていません。

最近(という程最近でもないのですが・・・)になって少しずつですが、足の爪の切り方やフットケアが紹介されはじめています。

 

こんな感じですから、足の爪の正しい理想的な切り方を知っている人は少なく、多くの人は何の疑問も感じずに手の爪と同じ切り方(バイアスカットという爪を丸く切る方法)をしています。この爪の切り方こそが将来の巻き爪予備軍を作る原因になっています。

 

では何故、手の爪と同じように切ると巻き爪になりやすいのでしょうか?

実は爪の構造に秘密があります。爪は縦方向と横方向の繊維で構成されています。この為、手の爪と同じように爪を切ると内側に巻きやすくなります。例えば髪や布を斜めに切ると端がくるくると丸まりやすくなるのですが、それと同じ現象です。

 

そして、手の爪と同じように切ることで爪の両端を切りすぎてしまい深爪になりやすくなってしまいます。

この深爪の状態で歩いていると、歩行時に足の指に力が加わった際に、深爪の先端の皮膚が盛り上がりやすくなります。さらにこの状態が続くと爪は盛り上がった皮膚が障害物となり、まっすぐに伸びにくくなります。やがて爪母と呼ばれる爪を作る工場(爪の根元の事)が上手く爪を生産できなくなり、爪が厚くなったり、変形してしまい爪の巻きを引き起こしてしまいます。

 

巻き爪の原因その2 靴の選び方

ずばり普段履いている靴のサイズや形が合っていないと巻き爪の原因になります。

特につま先が尖っていて、足の指や爪に圧迫が加わり続けるデザインの靴はより巻き爪を進行させてしまうことがあります。靴が小さいと、爪が圧迫されるのはイメージできると思います。この場合は単純に爪に圧迫がつづくことで巻き爪が進行しやすくなります。

 

逆に靴が大きい場合は、靴の中で足が動きやすくなるため、歩く際に上手に指を使って踏み込むことができなくなり爪の先が靴の先に当たりやすくなります。

爪が靴先に当たる1回1回の負荷は爪にとってわずかな負担なのですが、継続的に何度もコツコツと刺激が加わり続けると徐々に影響を受け、巻き爪が進行していきます。

難しい諺ですが、涓滴(けんてき)岩を穿つというものがあります。

わずかな水のしずくも、絶えず落ちていれば岩に穴をあける。努力を続ければ、困難なことでもなしとげられるというたとえなので使いどころは違うのですが、わずかな変化でも繰り返せば大きな変化となるという事です。

 

このように自分の足に合わない靴を履いている時間が長いと爪が巻き始めます。

そのまま長時間過ごしていくと爪が巻くだけではなく、巻いた爪が足の皮膚に刺激を与え、皮膚の炎症へとつながります。

さらにこの状態が続く事で菌に感染しやすくなり、炎症が悪化してしまうことになってしまいます。

 

巻き爪の原因その3 歩き方のクセ

巻き爪になる人は、巻き爪になりやすい歩き方をしている事が多いです。

 

少しお話がそれますが「よく巻き爪は遺伝しますか?」と質問されます。

基本的に巻き爪自体は遺伝はしません。ただ、遺伝はしませんが巻き爪になり易い体質は遺伝すると考えています。

 

具体的な理由としては、骨格や体質などは遺伝するからです。あなたは、これまでに「成長するにつれ、親子で後ろ姿や歩き方がそっくりになってきたね」ということを誰かに言われたことはありませんか?

 

このように骨格や体質が遺伝するということは、必然的に歩き方も似てきます。

結果的にその歩き方が巻き爪になりやすい歩き方だと、巻き爪になる可能性は高くなってしまいます。

 

では、巻き爪になり易い歩き方は色々とありますが、今回はその中でも巻き爪で悩む多くの人の原因になっている2つの歩き方につてご紹介いたします。

 

巻き爪を進行させる1つ目の歩き方は、ガニ股歩きです。

ガニ股歩きは、歩行時に膝が外側に向くような歩き方になります。

膝が外側を向いた歩き方だと、特に足の親指(第1指)に力が入りにくくなります。いまこの記事を読むのを一時的にストップして、実際にガニ股で歩いてみてください。

 

いかがでしたか?

 

ほとんどの人が足の外側である小指側に体重がかかり、足の親指の力は入りにくく感じたと思います。このようにガニ股歩きになると親指が浮いたような歩き方になりやすくなります。

 

爪はもともと、歩行時に地面からの力を受け止める為に、巻いています。そして、地面からの力が加わることで爪の巻きが緩和され平らになります。

 

しかし、ガニ股歩きのように膝が外を向くような歩き方をしていると爪には地面からの力が加わりにくくなるため、歩行時に爪に地面からの十分な力がかからず爪が巻きやすくなります。

 

巻き爪を進行させる2つ目の歩き方は、内股歩きです。

具体的には膝が内側に入ってしまう歩き方です。

膝が内側を向いていると足の親指の内側に重心がかかり、親指自体も内側に倒れやすくなります。では、いま一度この記事を読むのを一旦ストップして、実際に内股で歩いてみてください。

 

いかがでしたか?

 

ほとんどの人が親指の内側に体重がかかり、人によっては親指の骨が痛むような感じがした人もいると思います。

この状態で歩行を続けると、親指の内側に下からではなく横から過剰な力がかかってしまう為、爪の巻く力を増幅させ爪が巻きやすくなります。

 

巻き爪で悩みたくない!そんなあなたへの最適解

爪の切り方や靴選び、歩き方に問題がある期間が長ければ長いほど巻き爪を含め、足の病変と言われる症状は悪化し様々な足のトラブルにつながります。

例えばタコや魚の目、偏平足(へんぺいそく)、開帳足(かいちょうそく)、足底筋膜炎(そくていきんまくえん)さらには外反母趾(がいはんぼし)などの足の変形が起こりやすくなります。足の骨格まで変形が進行すると、巻き爪の痛みも取れにくくなってしまいます。

 

そうなる前に当院へ相談にいらしてください。巻き爪の正しいセルフケアや正しい爪の切り方、歩き方や指の筋肉を鍛える体操など、巻き爪の予防や痛みの改善をするためのお手伝いをさせていただきます。

巻き爪を改善させて、キレイだと言われる歩き方や足の状態を目指しましょう!