外反母趾とは、第1趾(足の親指)が第2趾(人差し指)の方へ“く”の字に曲がり、変形してしまっている状態のことを言います。人によって症状は様々ですが、親指の付け根に痛みがでたり、痛みで歩き方がおかしくなったりすることもあります。
原因も様々でパンプスなどの先の細い靴を長時間履く仕事や、畳から椅子とテーブルへの生活習慣の変化、遺伝的要素で筋肉や靭帯が弱く関節と筋肉がアンバランスになりやすいこと等が一般的な原因としてあげられます。加えて、関節リウマチの合併症として関節が破壊されることで症状が現れることもあります。
昔は長い時間靴を履くことが多い欧米様式の生活に伴う足の病気と言われていましたが、近年では文化の変化に伴い日本でも増加しています。ですので“外反母趾は足の病気”という認識が少しずつ一般化してきていますが、実際に外反母趾になっているにも関わらず、自分では気づかれない方も多いです。
今後は、高齢化や生活習慣の欧米化と共に、外反母趾を始めとする“足の病気”が増加し、それに伴い、手術を必要とするような強い変形を起こしてしまう方も増えるでしょう。しかし、手術をしても身体のバランスや歩き方などを改善しなければ再発することもあり、それを防ぐ為には根本的な改善が求められます。。
外反母趾に似た病気
- 強剛母趾(きょうごうぼし)
- 外反母趾の次に多い母趾(足の親指)の病気です。強剛母趾は、親指の付け根に繰り返しストレスが加わることで、関節の軟骨が擦り減ってしまい、骨同士が擦れ合うことで炎症を起こして痛みが生じると言われています。ひどくなると骨棘という骨の変形がおこり、歩行はもちろん足をついただけでも痛いといった症状が起きてしまいます。片側だけに症状が出る事が多く、歩行や裸足での立ち座りをするときに親指を反らす動きで強い痛みが出ます。
- 内反小趾(ないはんしょうし)
- 足の第5趾(足の小指)が第4趾(薬指)側に曲がってしまう病気で、実は男女ともに外反母趾よりも多い足の病気です。小指の曲がった部分に繰り返しストレスがかかることで炎症を起こしたり、胼胝(タコ)や鶏眼(ウオノメ)ができたりすることがあります。
意外と知られていないのが、小指が変形すること体のバランスが変わり、OX脚、膝痛、股関節痛など2次的な足の病気を引き起こすということです。
内反小趾になる原因はヒールの高い靴や先端が極端に細くなった靴、自分に合っていないインソールや靴下、歩き方の悪さが多数を占めていると言われています。 - モートン病
- 足指の間を通る神経がなんらかの外力で圧迫されることで起きる神経障害です。ピリピリとした痛みが足先に走ることで気づく人が多いです。足の機能低下や靴などで圧迫されることで指の付け根がコブのように膨らみ、ピリピリとした痛みだったのがひどくなると焼けるように痛んだり痺れたりすることもあります。骨に変形が起こることは少なく、レントゲンを撮っても診断が難しい症状と言われています。女性に多く、ハイヒールを良く履く人やつま先立ちの体勢が長く続く人の中指と薬指の間に多く発症します。